<議会を議論する場に戻さなければ>
 鹿嶋市長が田口伸一氏となり、鹿嶋の新時代がスタートしました。大いに期待するとともに、議会からも行政の責任追求のみでは無く、議会の責任もしっかりと果たしていかなければなりません。しかし、6月定例議会中の議会運営委員会(小池委員長)で突然「定数問題」が「案件」として取り上げられ、「真剣に議論したい」と簡単な資料が提供されました。私は、二期目となる2019年5月から、議会改革特別委員会を再度設置して議会全般の「議会改革」を全議員で議論すべきだと主張しましたが、「特別委員会は必要ない、議会運営委員会で議論する」との議長解答でした。この3年間、議会運営委員会で議論した議会改革案件はつまみ食いのように「会議へのタブレット端末導入」と「議会業務継続計画(BCP)」の策定のみで、積み残し課題である議会の機能強化、情報公開、定数・報酬問題についてはほとんど議論もしてきませんでした。来年4月の改選期まで1年を切ったタイミングでなぜ「定数問題」を取り上げることになったのか唐突であり、強引な議会運営であると指摘せざるを得ません。4年前の議会改革特別委員会では、定数報酬問題について分科会で検討後、市民への公聴会を開催した結果、「定数・報酬共に現状維持」という意見が多数を占めたため、定数・報酬問題は継続課題とする全体合意となりました。しかし、一部会派の議員が全体合意を無視して強引に削減提案をしたため9月議会が混乱し、一旦審議未了廃案となりましたが、12月議会で強引に再度提案され多数決により定数が2名限の20名となった経緯があります。この時期から、議会全体で議論して合意形成を図る作風が崩壊し、全て多数決による決定が増えていきました。定数問題は現職議員全員が参加したとしても安易に決定できる問題ではありません。将来の議員をめざして準備中の市民も影響を受ける問題であり、選挙まで数ヶ月という期間でハードルが上がってしまうことにもなりかねず周知期間も必要です。しっかりと議論のできる環境と期間を保障した上で総合的に議論して決定すべきです。

<本当に定数問題なのだろうか>
 なぜ「定数(削減)問題」のみ議論するのかとの問いに議長は、報酬は市長提案事項であり報酬審議会で検討するものだからと答えるが、議員報酬改定が本来の目的であることは明らかです。外向きには定数(削減)問題として「身を切る改革」を装いながら、「報酬月額50万円(現行34.2万円)でも良い」とついつい本音がこぼれてしまう議長と、「定数20人が適切だという根拠を示しなさい」と開き直る議運委員長には、リーダーとしての責任が感じられません。20人の議員が立場や意見の違いを認め合いながらも議論し、より良い行政の方向性を提案し導き出すのが議会の責任だと思います。あまりにも強引な議会運営に対し2年前の6月、議員有志8人で正副議長に申入を行いました。内容は、議会の民主的な運営について、①少数意見の尊重、②公正・中立の立場で運営、③議会改革の推進、の3点でしたがなんら回答も反応もありませんでした。新市長が誕生し、新たな「鹿島開発」を議論しようとしてる中で、与党も野党もなく議会が一丸となって行政をバックアップしていかなければなりません。拙速な議員削減提案と強引な議会運営は現に慎むべきだと思います。
 
<ポストコロナ、円安、物価高の中で>
 新型コロナウイルス感染症による社会的混乱の影響は計り知れません。さらに、ウクライナ侵攻(戦争)による平和・安全保障の不安定さも、エネルギーや食糧の値上がりなどを加速させ世界の分断も招いています。 ガソリンの価格も日に日に上昇し、食料品も軒並み値上げの嵐、一方で年金は引き下げられ、賃金も30年間据え置き状態の日本。参議院選挙が始まりましたが、約半数の有権者が投票権を放棄する実態を非民主主義国家とさえ指摘する声もあります。この間、アベノミクスの失敗、森友・加計・桜を見る会の隠蔽・改ざん・説明責任放棄に続き、コロナ対策の失敗、岸田インフレ黒田円安と、失政続きなのに無関心でいては国民が政府に捨てられてしまいます。現在の自公政権は、守るべきは国民ではなく国家、民主主義ではなく権力主義、中国・ロシアを専制国家と批判しているどころではなく、日本が経済も民主主義も三流国家になっていないでしょうか。第二次安倍政権になってからの10年間を振り返り、本当の民主主義を取り戻すチャンスです。立憲民主党を中心とする民主主義を守る政党へのご支援をお願いします。茨城選挙区は堂込まきこ、比例選挙区は鬼木まことを応援しています。
 鹿嶋市でも、カーボンニュートラルを見据えた新たな産業構造の改革や、恵まれたスポーツや自然環境を生かした産業の振興など課題は山積しています。歴史資料館整備問題など負の遺産はあるものの、しっかりとネクストかしまを展望する議論を進めなければなりません。国政と同様に一部の人のみで進める政治は必ず停滞し堕落します。オールかしまでの議会運営を望みます。