菅谷毅(鹿嶋市議)

茨城県鹿嶋市の市議会議員(2015年4月〜)2期目 ブログ初心者のためお見苦しい点はご容赦ください。 鹿嶋市議会のこと、目指すべき行政の方向性に関すること書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

カテゴリ: 鹿嶋市

2024年1月表号のコピー2024年1月裏号のコピー
コロナ禍からの脱却と新たな年の幕開けを期待していた元日から、能登半島地震が発生しました。心からお見舞い申し上げます。一日も早い日常生活を取り戻すことをお祈り申し上げます。遅くなりましたが議会報告を発行します。今年もよろしくお願いします。


<統一教会・安易な幕引きは許されない>

 冒頭、安倍元総理の事件をきっかけとして統一教会問題が明らかとなり、政治と反社会的集団との癒着という異常な事態について、曖昧な決着を許さず、徹底的な真相の究明と責任の追求を訴えました。

<脱・新自由主義の行財政改革へ>
 
 1980年代から40年間、全世界で新自由主義に基づく『民営化』と『行政改革』が進められました。日本でも国鉄、電電公社などの国営企業の民営化が進められ、地方自治体でも給食調理や保育園などの民営化が進みました。しかし、民営化がもたらしたものは、JRの赤字路線の廃止による公共交通の崩壊や、郵便局の土日配達の中止など、国民生活を維持するための公共サービスの低下を招いています。さらに、公立病院や水道事業の民営化も検討されています。一方、労働政策でも非正規雇用が拡大し格差問題や、30年間賃金が上がらないうえに物価上昇が襲っています。しかし、欧州では新自由主義の間違いに気づいて、水道事業の再公営化が始まっており、電力事業の社会的共有など格差社会で取り残される人々の救済や、化石燃料の使用により気候変動をもたらすほどの環境破壊を引き起こす資本の暴走にストップをかける運動が始まっています。これまでの行革の方針であった『小さな政府』路線ではなく、福祉・医療・介護など公共サービスを国民の権利として取り戻すべきと指摘した上で、今後の財政健全化の柱と目標について問いました。
 市長からは、持続可能な市民サービスが可能となる財政運営を目指すために、ムリ・ムダ・ムラを見える化しながら優先順位を決めて「止める・減らす・変える」という手法で歳出の見直しを進める。この見直しにょって、実質単年度収支の改善を図り、財政の自由度を保ちながら財政調整基金の確保を図っていきたいとの答弁がありました。

<働き方改革と組織の見直しを>

 市長の進める政策の整理と再構築の中に、働き方改革とデジタル推進、行政の政策力向上があります。時間外勤務の抑制や業務負担の偏在などの格差解消をはかり、デジタル化によって市民サービスの向上を図るべきと訴えました。さらに、縦割り行政の弊害を解消するため組織横断的な課題に取り組める組織の見直しを進めながら、人材育成を図り行政力の向上を図る必要性についても問いました。 
  答弁では、すでに面談ではなくチャットによる業務報告を導入しているデジタル化、データを基にエビデンスを持って政策を進められるよう職員研修を強化すること、組織検討委員会で組織の見直しに着手していること等が報告されました。

<市民の底力を引き出す> 
 今年10月1日から『労働者協同組合法』が施行されます。官でも民でもない新しい公共の担い手であり、持続可能な地域課題を解決する方法として注目されています。しかし、まだ周知や準備が不足しており 、コロナ禍以降の地域社会を再構築するためにも有効に活用すべきと考えます。市民の底力を引き出す手段として積極的に取り組むべきことを訴えました。

<人新世の資本論> 
 現在、台風14号が日本列島を縦断し、「これまでに経験したことのない危険な台風」と表現されています。 一般質問の前に、斉藤幸平著の「人新世の資本論」を読みました。気候変動による異常気象が頻繁に起こるようになり、資本主義の終焉よりも地球の終焉が先に来るのではないかと、この本は訴えていました。新自由主義によって加速度的な二酸化炭素の排出量に歯止めがかからなくなっている。異常気象もコロナ感染症も人類に対する警告だと。唯一の解決方法は、「脱経済成長」と「コモン=公共」を取り戻すことだという。今年7月杉並区長となった岸本聡子さんは、欧州で水道の再公営化運動に取り組んできた経験を持っている。協同労働により「コモン=公共」を作ることができるのではないかと思います。
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<議会を議論する場に戻さなければ>
 鹿嶋市長が田口伸一氏となり、鹿嶋の新時代がスタートしました。大いに期待するとともに、議会からも行政の責任追求のみでは無く、議会の責任もしっかりと果たしていかなければなりません。しかし、6月定例議会中の議会運営委員会(小池委員長)で突然「定数問題」が「案件」として取り上げられ、「真剣に議論したい」と簡単な資料が提供されました。私は、二期目となる2019年5月から、議会改革特別委員会を再度設置して議会全般の「議会改革」を全議員で議論すべきだと主張しましたが、「特別委員会は必要ない、議会運営委員会で議論する」との議長解答でした。この3年間、議会運営委員会で議論した議会改革案件はつまみ食いのように「会議へのタブレット端末導入」と「議会業務継続計画(BCP)」の策定のみで、積み残し課題である議会の機能強化、情報公開、定数・報酬問題についてはほとんど議論もしてきませんでした。来年4月の改選期まで1年を切ったタイミングでなぜ「定数問題」を取り上げることになったのか唐突であり、強引な議会運営であると指摘せざるを得ません。4年前の議会改革特別委員会では、定数報酬問題について分科会で検討後、市民への公聴会を開催した結果、「定数・報酬共に現状維持」という意見が多数を占めたため、定数・報酬問題は継続課題とする全体合意となりました。しかし、一部会派の議員が全体合意を無視して強引に削減提案をしたため9月議会が混乱し、一旦審議未了廃案となりましたが、12月議会で強引に再度提案され多数決により定数が2名限の20名となった経緯があります。この時期から、議会全体で議論して合意形成を図る作風が崩壊し、全て多数決による決定が増えていきました。定数問題は現職議員全員が参加したとしても安易に決定できる問題ではありません。将来の議員をめざして準備中の市民も影響を受ける問題であり、選挙まで数ヶ月という期間でハードルが上がってしまうことにもなりかねず周知期間も必要です。しっかりと議論のできる環境と期間を保障した上で総合的に議論して決定すべきです。

<本当に定数問題なのだろうか>
 なぜ「定数(削減)問題」のみ議論するのかとの問いに議長は、報酬は市長提案事項であり報酬審議会で検討するものだからと答えるが、議員報酬改定が本来の目的であることは明らかです。外向きには定数(削減)問題として「身を切る改革」を装いながら、「報酬月額50万円(現行34.2万円)でも良い」とついつい本音がこぼれてしまう議長と、「定数20人が適切だという根拠を示しなさい」と開き直る議運委員長には、リーダーとしての責任が感じられません。20人の議員が立場や意見の違いを認め合いながらも議論し、より良い行政の方向性を提案し導き出すのが議会の責任だと思います。あまりにも強引な議会運営に対し2年前の6月、議員有志8人で正副議長に申入を行いました。内容は、議会の民主的な運営について、①少数意見の尊重、②公正・中立の立場で運営、③議会改革の推進、の3点でしたがなんら回答も反応もありませんでした。新市長が誕生し、新たな「鹿島開発」を議論しようとしてる中で、与党も野党もなく議会が一丸となって行政をバックアップしていかなければなりません。拙速な議員削減提案と強引な議会運営は現に慎むべきだと思います。
 
<ポストコロナ、円安、物価高の中で>
 新型コロナウイルス感染症による社会的混乱の影響は計り知れません。さらに、ウクライナ侵攻(戦争)による平和・安全保障の不安定さも、エネルギーや食糧の値上がりなどを加速させ世界の分断も招いています。 ガソリンの価格も日に日に上昇し、食料品も軒並み値上げの嵐、一方で年金は引き下げられ、賃金も30年間据え置き状態の日本。参議院選挙が始まりましたが、約半数の有権者が投票権を放棄する実態を非民主主義国家とさえ指摘する声もあります。この間、アベノミクスの失敗、森友・加計・桜を見る会の隠蔽・改ざん・説明責任放棄に続き、コロナ対策の失敗、岸田インフレ黒田円安と、失政続きなのに無関心でいては国民が政府に捨てられてしまいます。現在の自公政権は、守るべきは国民ではなく国家、民主主義ではなく権力主義、中国・ロシアを専制国家と批判しているどころではなく、日本が経済も民主主義も三流国家になっていないでしょうか。第二次安倍政権になってからの10年間を振り返り、本当の民主主義を取り戻すチャンスです。立憲民主党を中心とする民主主義を守る政党へのご支援をお願いします。茨城選挙区は堂込まきこ、比例選挙区は鬼木まことを応援しています。
 鹿嶋市でも、カーボンニュートラルを見据えた新たな産業構造の改革や、恵まれたスポーツや自然環境を生かした産業の振興など課題は山積しています。歴史資料館整備問題など負の遺産はあるものの、しっかりとネクストかしまを展望する議論を進めなければなりません。国政と同様に一部の人のみで進める政治は必ず停滞し堕落します。オールかしまでの議会運営を望みます。
 

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